今年度の計画は、1.調査結果、それまでに行われた文献研究に基づいて成果をまとめる作業に入る(研究補助の大学院生等を活用する)。統計的手法や各種データを用いて、日本・アメリカ・欧州の産業組織・証券市場・知財関連データを数値化し、検討する。2.10月から11月にかけてその整理を行い、11月末にアメリカ等を訪れ、最終的な調査を行う。3.各学会・研究機関(国内外)でワークショップ、個別報告を行い、研究成果のまとめに向けて議論を行う。であった。1に関しては、これまでの文献調査をベースに懸案であったアンケートによる調査(イノベーション人材育成に関して)を国内の中堅・中小企業及び研究機関発ベンチャー中心に実施し、90件を超える回答を得た。また、産総研、物材機構、筑波大発ベンチャー等からも同様の聞き取り調査を行い、定量定性両面から今回のテーマを集約した。2は2012年11月に欧州を訪れ、3か国で大学研究機関におけるデータを得た。主に出資と知財の問題を中心に、株式の所有と公開状況等のデータを補強した。また日本国内でもベンチャー企業からの視点では、主につくば事例を中心に訪問調査を実施し、人材育成からの視点では、早稲田大学事例を中心に聞き取り調査を実施した。3は、11月に日本ベンチャー学会大会において欧州の事例(フランス)を発表し、12月に立教大学において講演を行った。この際には、日米の大学発ベンチャー事例を中心に発表を行い、双方とも議論を行った。 さらに筑波銀行や川崎市産業振興財団新政策研究所においても、これらの問題を議論し、ペーパー化を行った。アンケートデータに関しては、既存企業及びベンチャー企業に関してイノベーション人材の活用に関する意識づけについての統計分析を進めており、今後論文発表等を予定している。
|