平成25年度は、おもに(1)京都ブランドのマーケティングに関する書籍の執筆に取り組んできた(未刊)。本書の構成としては、ブランドを地域に当てはめる上での論点整理、京都というブランドの特異性、京都ブランドの担い手・構成要素としての観光・伝統産業・商業・まちづくり、ブランドを再生するイノベーションの意義、ブランドをコントロールする行政の役割、などである。 その一環として、(2)京都府住宅公社堀川団地再生ならびに堀川団地商店街協同組合の活性化についての調査研究をすすめた。堀川団地は戦後直後の公営近代化団地であって耐震補強の必要はあるものの近代建築物として歴史的価値が認められている。堀川通りに面する堀川団地をいかに活用して当該地域の活性化・地域社会づくりに貢献するか、その担い手としての堀川団地商店街の再生を図るか、高齢者、障害者、子どもにやさしいまちづくりをいかにすすめるか、という観点から検討がすすめられている。 ソーシャルメディア研究としては、(3)生活協同組合コープネット事業連合のネットコミュニティ利用データ等にもとづく実証研究をすすめ「オンライン・コミュニティにおける組合員のコミュニケーションと自己実現」(玉置了・若林靖永・堀川宣和)(『生協総研賞 第10回助成事業研究論文集』2014年1月)にその研究成果をまとめた。 まちづくり等への関与という観点から、(4)大きく変容する生協事業に対応して生協のアイデンティティである組合員参加のあり方も変わらざるをえないことを展望した論考「生活協同組合における現代的参加」「(吉村純一・竹濱朝美編『流通動態と消費者の時代』白桃書房、2013年5月、所収)が出版された。 また継続調査として、(5)京都新聞社と提携して京都企業に対する京都市民のブランド意識についての調査研究がすすめられた。
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