(内容と意義)本研究では、貿易政策の観点から産業連関による定量モデルを構築して、日本石油産業の貿易パターンに基づいた石油製品の付加価値特性を分析することを目的としている。特にアジア市場では、近年シンガポール市場が著しく中国系石油企業の経営資源注入により、成長を遂げている他、タンカー配送に有利な中東石油が大きな割合を占めて居り、このことにより高サルファー成分が環境問題から重要な技術改善課題となっている。石油製品の付加価値要因に中東要因、中国系企業要因、技術要因といった主要要因がクローズアップしているが、市場取引においては、これら要因も市場価格に反映されることから、価格変動と要因分析を22年度の研究の柱とした。 (具体的な活動内容)科研費研究の初年度平成22年度は石油学会東北支部会、秋田大学工学資源学部資源開発コース、国際石油開発帝石(株)新潟事業場で調査、また石油資源開発(株)にて調査協力を得て、資源製品開発、輸出入資源管理について、一定の成果を得て、拓殖大学経営経理研究所紀要にて論文3編(査読付)を発表した。主に、原油と石油製品の市場流通段階別の弾力性分析、また価格変動の要因変化の分析を環境対応の面から論じた内容である。 (分析プロセス)データ解析による資源貿易仮説モデル立案(環境改善のためのサルファフリーエネルギー技術を、BASS-Modelにより市場拡散した場合の製品普及モデルを立案)については、これまでの研究成果と、今後の課題について、ウェブ上で資源貿易研究HPの運営を行い、情報発信と共に海外(米国、中国)とのエネルギー企業、機関。国内学会とも、情報を共有している。
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