本研究の最終年度となる平成26年度の研究成果としては、当該年度の「研究目的」及び「研究実施計画」に則り、①マーケティングとの関連で、国内の医療機関(病院)に赴いての調査による研究材料の収集・蓄積的な成果をあげられたこと、②その中で得た知見の一部を研究成果として公表できたこと、があげられる。そうした意味においては、ある一定の成果を達成することができ、意義のある研究を進めることができたと考えている。 具体的には、研究材料の収集として、いくつかの国内の医療機関を訪問あるいは調査することによって、期待された知見または予期できなかった知見が得られたのと同時に、そこでは、新たな研究上の発見がいくつか見出された。これらの成果は、本科学研究費助成によるところが極めて大きいと言えようが、総じて本年度の研究成果としては、今後、さらなる医療機関の訪問調査を通じて、本研究を深掘りしていく研究の土台が出来上がったと考えている。 また、研究業績としては、これまでの国内外の医療機関に対する調査に加えて、とりわけ本年度においては、『戦略的マーケティングの構図』(共著、同文舘、2014年)を出版することができ、その担当章「ステークホルダー研究の諸問題」において、医療機関のケースを一部掲載するとともに、今後の医療機関を含む非営利組織のステークホルダーにおける諸問題を明らかにすることで、新たな研究領域を切り開くことができたと考えている。また、今年度の成果としては一部の公表にとどまったが、しかるべきタイミングで様々な医療機関におけるケースをきっちりと整理し、それらをすべてまとめた形で著書などにおいて公表していきたいと考えている。 いずれにせよ、5年間の研究成果としては、一定のアウトプットができ、今後の研究を進めていくうえでの、大きなステップになったと考える。
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