研究概要 |
今回のサプライチェーンマネジメントにおいて,情報に非対称性を考慮したモデル構築の提案は初めての試みである.次に,研究成果としては,数値例から,条件付き確率(ある基準値(目標期待利益や目標サービスレベル値))より,そのサプライチェーンのメンバーの意思決定(選択肢)が明確に行われることが理解できた.具体的には,数値例から,メンバーの意思決定者が分離可能均衡や一括均衡の解を求めることができた.さらに,この問題を拡張して,サプライチェーンマネジメント部門だけでなく,市場調査部門から始まり最終的な消費者までを含めた経営全般からみた取引問題にもゲーム理論を用いて拡張できることが分かった.さらに,小売店への情報実情メカニズム設計と小売店の価格-サービスレベル決定の両方を考慮した統合された他のサプライチェーンの効果を研究することで関連している研究分野における補完も対処することができた.また,リスクを分け合うルールが小売店の意思決定に影響するだけでなく,供給業者にも影響することも示した.このことは,総合(トータル)的な経営戦略における意思決定の支援の基礎になるものと考えられる.
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