研究課題/領域番号 |
22530466
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
大崎 孝徳 名城大学, 経営学部, 教授 (00331033)
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キーワード | 国際マーケティング / エレクトロニクスメーカー / 高度情報化社会 / モジュール化 / コモディティ化 / マーケティング戦略 |
研究概要 |
本研究では、デジタル化やネットワーク化が進展する国際市場において、日本のエレクトロニクスメーカーにとって有効となる国際マーケティング戦略の抽出を目的としている。 今年度は、昨年度に構築した分析枠組みに基づき、日本、中国、欧州の3市場に対して、本格的なフィールドワークを実施した。結果、各市場における小売マーケティング、消費者ニーズに関する特性を明確化させ、昨年度に実施した北米市場も含めた4市場の比較を行うことができた。欧州に関しては、大手ブランドへの消費者のロイヤリティの高さなど、共通する点があるものの、各国での小売マーケティングにおける細かな相違点を確認することができた。また、自社が発行するパンフレットにおいて、メーカーの各商品を評価し、消費者に公表しているフランスの大手家電量販店であるfran社の取り組みも、大手リテーラーのメーカーへのパワーの拡大という視点で考察した。 また、日本市場を除き、テレビを中心に強い存在感を示している韓国メーカーと日本メーカーの比較も実施した(こうした成果は、2011年12月「薄型テレビの国際マーケティング戦略」において発表している)。 次年度においては、まず家電メーカーを中心に深刻な事態に陥っている日本のエレクトロニクスメーカーの現状を十分に分析したうえで、追加的な海外市場調査と本格的なエレクトロニクスメーカーへの個別訪問面接調査を行い、今後、実施すべき国際マーケティング戦略を抽出していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一応の文献調査、リテーラーへのインタビューを中心に主たる海外市場へのフィールドワークは実施できた。しかしながら、エレクトロニクスメーカーへの本格的な個別訪問面接調査は実施できていない。また、国際マーケティングの領域を越え、関連する製品開発論や組織論などの文献調査も必要であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
最終の研究年度となる今年度においては、まず前半に、関連する文献調査を実施し、研究枠組みを修整する。その後、海外市場へのフィールドワークを追加的に実施するとともに、日本のエレクトロニクスメーカーに対して個別訪問調査を行う。後半においては、成果を取りまとめ、学会にて報告し、指摘された意見を基に、論文を作成する予定である。
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