研究課題
本研究では、デジタル化やネットワーク化が進展する国際市場において、日本のエレクトロニクスメーカーにとって有効となる国際マーケティング戦略の抽出を目的としている。最終の研究年度となる本年度においては、まず欧州市場へのフィールドワークを追加的に実施し、過去の調査を踏まえ、欧州、北米、中国、日本という規模の大きな4つの市場について再検討を行った。主たる比較ポイントは、店舗における家電メーカーのマーケティング施策、家電リテーラーの小売マーケティング、メーカーとリテーラーの関係性、消費者ニーズなどである。また、経営戦略論、製品開発論、組織論などの文献調査を行い、家電メーカーに関連する情報収集も実施した。概要を述べるならば、国内メーカーが強い日本や中国を除けば、サムスンの存在感は圧倒的であり、小売店の規模に関わらず、隅々にまで、徹底した取り組みが行われている状況であった。確かに、デザイン性は評価されているものの、こうした状況は価格や機能を含めた製品力で実現しているというよりも、海外市場への戦略、組織・マネジメント体制、海外リテーラーとの関係性構築といった要因が大きなウェートを占めている。以上を踏まえ、今後の日本メーカーの国際マーケティング戦略における重要なポイントとして、マーケティング志向、標準化と適応化のバランス、企業規模、オープン戦略、選択と集中、海外市場への取り組み体制、リテーラーとの関係性構築などをあげ、国際学会にて報告を行った。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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ICIC Express Letters: An International Journal of Research and Surveys
巻: Vol.7, No.1 ページ: pp.85-90
名城論叢
巻: 13巻、1号 ページ: 47-56