研究課題/領域番号 |
22530471
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研究機関 | 九州国際大学 |
研究代表者 |
男澤 智治 九州国際大学, 経済学部, 教授 (90330886)
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キーワード | 北部九州地域 / 韓国東南部地域 / 自動車部品 / 完成車 / 港湾連携 / 産業連携 / ロジスティクス拠点 / 自動車メーカー |
研究概要 |
今後も世界貿易の拡大が続く中で、世界の港湾とくにコンテナ港湾は多くの課題に直面している。それは、(1)増大する貨物量に対応するための施設整備、(2)船型の大型化への対応、(3)船主や荷主からの港湾サービスに対する強い改善の要求、(4)港湾間競争の激化、(5)複数の港湾に跨るネットワークの構築、(6)港湾のロジスティクス化である。 このようななかで欧米先進国の港湾は、(1)高度な次世代コンテナターミナルの開発、(2)ロジスティクスパークの形成、(3)背後圏へのアクセス強化等を図り、国際競争力を強化している。 以上の背景の下、本研究では、国境を越えた広域経済圏が形成されつつある北部九州地域と韓国東南部地域との産業連携の中でロジスティクスポートのあり方を実証研究している。 平成23年度は、平成22年度の研究で両地域において現時点で産業連携の可能性が高い、「自動車部品」物流に焦点をあて、税関統計によるデータ分析や両地域の主要港(釜山、博多、北九州、下関)における東アジア・ロジスティクス戦略について調査研究を実施した。 税関統計のデータ分析によれば、現時点では「九州から中国への完成車の輸出拠点」、「中国・韓国から九州への自動車部品の輸入拠点」として北部九州港湾が利用されていることがわかった。今後は、日産自動車九州、トヨタ自動車九州とも部品の共通化を進めアジアに近い工場として中韓の部品メーカーとの取引を増やす傾向が示された。そのなかで、北部九州港湾が自動車部品物流のロジスティクス・ネットワークさらには、次世代自動車を意識した自動車部品の国際ネットワークの核になることも提案している。 主要港分析では、背後地を利用した東アジア・ロジスティクス拠点を目指している点が確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に従い、福岡県を中心とする北部九州地域の自動車メーカー、自動車部品メーカー、福岡県、福岡市、北九州市等への聞き取り調査が順調に進んだ。また、韓国側の調査に関しては東西大学校(釜山)の李美永教授の協力により韓国東南部の自動車関連産業、港湾管理者への調査が実行できた。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、この2年間の調査結果をまとめ、東アジア・ロジスティクス型港湾とは何かについて理論的に整理したいと考えている。
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