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2011 年度 実績報告書

監査リスク評価モデルの研究開発

研究課題

研究課題/領域番号 22530473
研究機関東北大学

研究代表者

高田 敏文  東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40125787)

キーワード監査リスク / 虚偽表示リスク / 固有リスク / 統制リスク
研究概要

本研究の目的は,(1)監査基準で規定されているリスク・アプローチを理論的・実証的に解明すること,(2)解明した理論枠組みに基づいたリスク評価モデルをコンピュータ・システムとして開発することである。監査人に評価することが求められているリスクは,主観的に評価されることが多い。主観的なリスク評価は,評価結果の信頼性が社会的に問われたときには,多くの人々を納得させる根拠たりえない。リスク評価を客観化するには,ブラックボックスとなっていたリスク評価にかかる職業的な評価枠組みを理論的・実証的に解明し,多くの人々にその枠組みを活用できるようにすることが必要であり,本研究の目的は上記2点にある。
重要な虚偽表示リスクR剛は,リスク分析で広く一般化しているリスク概念の一つである「変動性」と対応させることができると考えられる。変動性を確定するためには,RMMがどのような確率分布にしたがうのか,すなわち,確率分布の形状を特定できるのかについて,実証しなければならない。RMMは,固有リスクと統制リスクを内容としており,これらは評価対象の状態に依存する。
研究第2年度(平成23年度)においては,監査リスクファクターの検出作業を実施した。使用したデータは,直近2年間の訂正報告書を提出した20社の財務諸表比率の分布と正常な財務報告を実施したランダムサンプル40社の財務諸表比率の分布とを比較し,分布が異なる財務比率をリスクファクターとみなした。監査リスクの先行研究のモデルで用いられた独立変数をすべて比較の対象とし,結果として3つのリスクファクターを検出できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は平成22年度から24年度までの3年間にわたる研究計画に基づいて実施している。平成22年度は,内部統制監査の実態調査,平成23年度は,リスクファクターの識別を計画しており,それぞれ計画通りに実施した。

今後の研究の推進方策

最終年度の平成24年度は,前年度の研究で識別した監査リスクファクターの確率分布を用いた監査リスクのシミュレーションを実施する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Identification of Audit Risk Factors-Evidence from the Failure Cases of Internal Control Audit-2011

    • 著者名/発表者名
      Toshifumi Takda, Yuanlin Ly
    • 雑誌名

      23nd Asian Pacific Conference Proceedings

      巻: 1(CD-R)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 内部統制監査の失敗事例と監査リスク要因の識別2011

    • 著者名/発表者名
      高田敏文, 李袁琳
    • 雑誌名

      産業経理

      巻: 71 ページ: 32-58

  • [学会発表] Identification of Audit Risk Factors-Evidence from th Failure Cases of Internatl Control Audit-2011

    • 著者名/発表者名
      Toshifumi Takada, Yuanlin Ly
    • 学会等名
      第23回アジア太平洋地域国際会計学会
    • 発表場所
      北京,中国
    • 年月日
      2011-10-08

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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