• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

報告利益と課税所得の質の比較に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22530480
研究機関神戸大学

研究代表者

鈴木 一水  神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (90235937)

キーワード利益の質 / 報告利益と課税所得の乖離
研究概要

「研究の目的」および「研究実施計画」に記載の通り、報告利益と課税所得の質とその時系列変化を実証的に比較して、両者のそれぞれの特徴を解明するために、本年度においては、まず先行研究のサーベイを行い、利益の質を構成する時系列特性(持続性、予測可能性および変動性)、異常(裁量的)会計発生処理高、さらに保守性や価値関連性といったさまざまな特性についての測定手法を整理した。
次に、わが国上場会社の1982年3月期から2009年3月期までの公表情報に基づいて、報告利益と課税所得の乖離の程度と、それぞれの時系列特性を調査した。その結果、1999年3月期から2004年2月期までの5年間を挟んで、報告利益と課税所得課の乖離が有意に拡大していることが観察された。それぞれの時系列特性については、報告利益の持続性には、有意な変化はみられないものの、業績の良い企業の報告利益は、課税所得よりも持続性が高くなる傾向にあること、業績の悪い企業の報告利益の持続性は、業績の良い企業と比べると一貫して低いことが観察された。予測可能性は、業績の良い企業では、報告利益も課税所得もともに低下傾向にあるものの、課税所得と比べると、報告利益の方が高いこと、業績の悪い企業でも、報告利益の予測可能性は低下傾向にあるものの、業績の良い企業と比べると低いことが観察された。変動性については、業績の良い企業では、報告利益も課税所得もともに変動性が低下しており利益平準化がみられるものの、報告利益の方が一貫して変動性は低いので、より平準化しやすいことがわかった。業績の悪い企業では、報告利益の変動性は上昇傾向にあり、業績の良い企業とは逆の傾向がみられた。
以上の結果は、会計基準と税務法令の趣旨が実現されているかどうかの評価に役立つ。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 報告利益の属性変化が監査業務に及ぼす影響2011

    • 著者名/発表者名
      鈴木一水
    • 雑誌名

      現代監査

      巻: 21号 ページ: 27-35

  • [学会発表] 報告利益の属性変化の監査・保証業務に対する影響2010

    • 著者名/発表者名
      鈴木一水
    • 学会等名
      日本監査研究学会第33回大会
    • 発表場所
      (兵庫県)甲南大学
    • 年月日
      2010-10-30

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi