• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

報告利益と課税所得の質の比較に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22530480
研究機関神戸大学

研究代表者

鈴木 一水  神戸大学, 経営学研究科, 教授 (90235937)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード税務会計 / 財務会計 / 利益の質 / 報告利益と課税所得の乖離
研究概要

本年度では、第1に両者の乖離を複式簿記とクリーンサープラス関係の観点から計算構造的に分析した。第2に、報告利益と課税所得の質に関する実証分析に年度データを追加して再検証した。第3に、制度的・実際的乖離に直面する会計実務家の思考を分析した。この分析の結果、制度的・実際的乖離にもかかわらず、実務家の意識の中では、未だに両者は本来一致すべきであるとの思考が根強く残っていることが明らかになった。そこで、このような思考が形成されるに至った経緯を歴史的に分析した。
以上の補強を通じて、本研究全体の成果を出版した。そこでは、「研究計画調書」の「研究目的」において示した「研究の到達水準」のうち、制度変更が報告利益と課税所得のそれぞれの質に及ぼした影響として、持続性に関しては報告利益と課税所得の両方について有意な変化は見られなかった。ただし、業績の良い企業については、報告利益のほうが課税所得よりも持続性が高い半面、業績の悪い企業の報告利益の持続性は業績の良い企業よりも低いことが観察された。また、変動性については、業績の良い企業においては報告利益も課税所得もともに変動性が低下しており、特に報告利益の変動性が低いのに対して、業績の悪い企業では報告利益の変動性が上昇しつつあることが観察された。さらに、保守主義については、課税所得計算よりも財務会計のほうがより保守的ではあるけれども、しかし課税所得計算においてもなお保守主義的傾向が残っていることがわかった。
これらの結果は、「研究の到達水準」で示した制度の目的・理念にとって望ましいか否かという問題提起に対して、必ずしも制度改正の趣旨が現実には達成されていないことを示唆する。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 税務会計における複式簿記の限界2013

    • 著者名/発表者名
      鈴木一水
    • 雑誌名

      近畿大学商経学叢

      巻: 59巻1号

  • [図書] 税務会計分析-税務計画と税務計算の統合-2013

    • 著者名/発表者名
      鈴木一水
    • 総ページ数
      430
    • 出版者
      森山書店

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi