研究概要 |
本研究は、多くの企業において発表されている中期経営計画を題材として取り上げ、企業の自発的開示情報の特性を分析することである。具体的には、中期経営計画情報の特性と資本市場に対する情報効果を実証的に明らかにしていくことにある。 平成22年度においては、関連した先行研究のサーベイを行うとともに、電機業界を対象にパイロットテストを実施した。そこから、中期経営計画を開示する企業の属性として、業績よりも企業規模との間で有意な相関があることが明らかとなった。このような知見から仮説の構築を検討中である。 また、パイロットテストを通じて収集した中期経営計画情報をもとに、アンケート調査のための質問票を作成した。質問は全17項目から構成されている。 アンケート調査は、平成23年3月において、銀行・証券・保険・REITを除く東京証券取引所(第1部、第2部、マザーズ)に上場する企業を対象とした。結果的に2,133社にアンケート用紙を送付し、現時点で333社(15.6%)より回答があった。回答結果については、現在データベース化の作業を実施している。 アンケート結果を用いた仮説検証を行うための財務データベースについても現在作成を進めている。 なお、当初の研究計画には含めていなかったが、今年度の研究を通じて中期経営計画に関しては、開示メディアも様々であり、また計画年度の終了したものはホームページなどから削除されるケースも多々あるため、企業に協力依頼しつつ、中期経営計画のアーカイブ作成に着手した。
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