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2012 年度 実績報告書

中期経営計画の情報特性とその経済効果に関する実証的分析

研究課題

研究課題/領域番号 22530486
研究機関横浜市立大学

研究代表者

中條 祐介  横浜市立大学, 国際マネジメント研究科, 教授 (40244503)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード中期経営計画 / 非財務情報 / 財務報告 / 自発的ディスクロージャー / IR
研究概要

将来情報として自発的に開示される事例が増えている中期経営計画を題材に,これらに関する情報効果と会計政策を分析した。まず中期経営計画の目標値の達成度については,売上高,営業利益,当期純利益のいずれにおいても低水準であった。また,中期経営計画情報の開示と株式リターンの関係についてのイベント・スタディでは,当該情報は必ずしも正のメッセージとしては受け止められていない可能性が示唆された。これらより,過去情報と将来情報を橋渡しする情報としての役割は,十分に果たせているとは言い難い。
しかし,中期経営計画情報を投資家向け説明資料と位置付ける企業では,計画値の達成度において,そうでない企業に比べて相対的に高い実績を示していた。またROA等の財務業績,トービンのQ等の企業価値関連指標も相対的に高いことが明らかとなった。さらに,中期経営計画情報の開示による株価効果は,直近の業績の良好さ,経営陣のコミットメントの強さ,ローリング型の柔軟な計画策定が行われている企業については累積超過リターンが高くなることも明らかとなった。
中期経営計画の達成度と会計政策の関連性については,目標値を達成した企業は利益減少型の会計政策を選好していた。一方,未達企業は平均的には利益増加型の会計政策を選好しているが,その目的は決算短信の業績予想をターゲットとしている傾向がみられた。このように未達企業においては,中期経営計画の目標値達成という行動の優先順位は決算短信の業績予想値達成という行動よりも劣位に位置付けられていることが示唆された。しかしながら,中期経営計画情報に対するケアが十分でないと,当該情報に対する市場のレピュテーションが低下していくことが危惧される。中期経営計画情報が投資意思決定に有用であると市場に評価されるためには,目標値に対する達成力と環境変化に柔軟に対応可能な策定体制が課題であるといえよう。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 日本企業における非財務情報の開示2013

    • 著者名/発表者名
      中條祐介
    • 雑誌名

      現代ディスクロージャー研究

      巻: 13

  • [雑誌論文] 中期経営計画の策定・開示に関するサーベイ・リサーチ2013

    • 著者名/発表者名
      中條祐介
    • 雑誌名

      横浜市立大学論叢-社会科学系列-

      巻: 第63巻 ページ: 未定

  • [学会発表] 日本企業における非財務情報のディスクロージャー2012

    • 著者名/発表者名
      中條祐介
    • 学会等名
      日本ディスクロージャー研究学会
    • 発表場所
      青山学院大学
    • 年月日
      2012-06-10
  • [図書] 企業会計研究のダイナミズム2012

    • 著者名/発表者名
      伊藤邦雄
    • 総ページ数
      468
    • 出版者
      中央経済社

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公開日: 2014-07-24  

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