研究概要 |
本研究では、民間非営利組織として特定非営利活動法人(以下、NPO法人)に焦点をあてて分析を行った。 NPO法人の主な資金源は、会費、寄付金、事業収入、助成金、補助金、借入金などである。『寄付白書2010』によれば、2009年に個人や企業からNPO法人に対して直接寄付された金額は451億7,300万円となっている。寄付者は、寄付をするNPO法人の選択や金額など、どのような情報をもとに意思決定をしているのであろうか。そもそもNPO法人の会計情報は、寄付者の意思決定において利用されているのであろうか。もし、利用されているとするならば、寄付者の意思決定に影響を与えているのはどのような情報内容であろうか。 本研究では、NPO法人の会計情報と寄付金受入の関連性について実証研究を行った。そこでは、寄付金を得ている団体は、民間財団等からの助成金も受け取っている割合が高いことが明らかとなった。また、事業費比率と正味財産比率が高い程、寄付を得られる可能性が高いことも示唆された。
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