研究課題/領域番号 |
22530500
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
新谷 司 日本福祉大学, 福祉経営学部, 教授 (60249141)
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キーワード | 会計学 / 会計史 |
研究概要 |
本研究の目的は、会計史研究を豊かにする新しい会計史研究の可能性と課題を、歴史の証拠と認識論・理論を巡る方法論争と同一の対象を巡る具体的な解釈論争に基づいて明らかにすることにある。この論争のうち本研究で取り上げるのは以下の6つの対象領域の論争である。欧米の会計史の領域では、新しい会計史が登場した1990年代以降から、歴史学と同様に異なる理論的枠組みの会計史研究の間で、歴史の証拠と認識論・理論を巡る方法論争が行われるようになり、同一の対象を巡る具体的な解釈論争も行われるようになっている。この論争の中心として6つの対象領域が識別できる。 1、1840年代前後のアメリカ陸軍省・国営スプリングフィールド兵器廠の管理会計。 2、アメリカの管理会計(原価計算)の起源から現在までの通史を扱うジョンソン&キャプランの著作。 3、イギリスの産業革命期のキャロン社における管理会計。 4、1980年代のアメリカのキャタピラ社ディケータ工場のリストラにおける管理会計。 5、1930年代のアメリカの証券開示規制における会計。 6、伝統的会計史と新しい会計史との歴史の証拠と認識論・方法論。 平成23年度は1、及び2、の研究を総括し、3、4、及び5、の論争点を識別して、その成果を学術的定期刊行物に発表することを予定した。 結果として2件の研究成果を発表した。それらは、1、に関する最終的総括と2、及び6、の一部に関する研究をまとめたものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記「研究実績の概要」に示した1、から6、の領域のうち、23年度までの段階では、1の全部、2、4、及び6、の一部を成果として発表してきている。3、と5、の研究にも着手したが、成果として発表するにはいまだ準備不足であり、同研究を理解するには、当初読解を予定した文献量をはるかに上回る文献量を読解する必要があることを認識している。また現在までの研究過程において、フーコー主義の会計史が新しい会計史及び伝統的会計史との論争の中で重要な役割を果たしていることを再認識したため、1、2、4、及び6、の対象領域にまたがるフーコー主義の会計史の可能性と課題を当初の予定よりも丁寧に検討して来ている。つまり、3、及び5、の領域よりも1、2、4、及び6、の領域、特に1、の領域を詳細に検討し4つの論文をまとめてきたために、3、及び5、の領域の検討が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの研究過程において、上記「研究実績の概要」に示した1、2、4、及び6、の対象領域にまたがるフーコー主義の会計史の可能性と課題を丁寧に検討することが必要と認識したため、今後の研究では1、2、4、及び6、の対象領域にまたがるフーコー主義の会計史の可能性と課題に関する研究をさらに進め、拡大していく予定である。加えて3の研究と5の研究の継続を行う。 平成24年度は、1、2、4、及び6、の研究の総括を行い、フーコー主義の会計史の可能性と課題に関する研究成果を研究会・学会または学術的定期刊行物に発表する。
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