我々は、資本・剰余金法制の大きな転換点である昭和25年の商法改正を中心として、考察を行った。昭和25年改正以後の会社法において、株主の払込金額は原則として資本金とするべきであるとするが、それ以前は株主の払込金額のすべてを資本とする必要はないという考え方であった。その背景に会計学上の研究の影響が色濃く感じられる。それゆえ、昭和24年の企業会計原則の制定と昭和25年の商法改正が、資本・剰余金概念の起点であると言える。なお、その後、変化のなかった資本・剰余金概念が会社法の制定と国際会計基準において変化しはじめている。
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