研究概要 |
平成22年度は,国内動向などの状況を踏まえ,問題点を洗い出すための資料収集と分析,国内外での学術及び実務分野の関係者のヒアリングを行った。 具体的には,企業の環境リスク情報の非財務・記述情報の開示状況の分析と問題点の洗い出しをパイロットテスト的に行った。対象は国内外の大企業とし,年次ベースでの開示に関して,環境リスク情報やその他の関連情報がどのように開示されているか,記述内容を分析した。この分析内容の一部を,企業関係者へフィードバックし,企業側の課題に関する情報収集を行った。 英国では,環境および持続可能性会計の分野の学術分野での世界的に優れた複数の研究者と,非財務情報の開示や,環境報告の情報の信頼性ついて討議した。特に,重要業績指標の研究の進んでいる欧州の会計士団体や,英国の会計士団体の情報も入手し,財務報告の信頼性に影饗の大きい職業専門家の視点についての情報収集ができた。また,英国の大手会計事務所や職業会計士団体などで実務専門家と意見交換をした。国際財務報告基準(IFRS)で開示を行う国際的企業の先進的開示の状況についてヒアリングした。特に,温暖化ガス情報の開示に関する英国での動向や統合報告での環境開示など,環境・CSRレポートや,環境リスクその他の情報開示に関する国際的動向に関して,主な特徴や課題を討議し情報収集をした。 以上,平成22年度は所定の計画の内容についておおむね実施でき,今後,研究の方向性を決定し,資料の本格的な収隻分析のための基礎作りができた。
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