研究概要 |
ピエール・ブルデュー(1930-2002)学派の第一世代は、J-C,シャンボルドン(EHESS: 社会科学高等研究院)、J-C,パスロン(EHESS)L.ボルタンスキーら共同研究者たちである。その直弟子である第二世代は、P.シャンパーニュ(EHESS,パリ第一大学)、L.パント(CNRS:国立科学研究センタ)、R.ルノワール(パリ第一大学)、C.シャール(パリ第一大学、CNRS)、D.メルリエ(パリ第一大学)等である。更に第三世代には、O.クリスタン、A.エルニュ、D.エリボン(アミアン大学)、A.ファルジュ(CNRS)、G.ドゥ.ラガスヌリ(パリ第一大学)、F.ロルダン(CNRS)、F.ルバロン(アミアン大学、レゾン・ダジール代表)、E.ルイ(エコール・ノルマル学生)、A.ジュールダン(同、アグレジェ)、S.ノラン(同、アグレジェ)等がおり、最後の三人はENSの学生であり、この学派の着実な継承が確認できる。ブルデューの遺稿は、アルジェリアで1958~1961年に撮影された150枚の写真からなる『アルジェリアのイメージ』(2003年)が、アルジェリア戦争の原因と目的の解明に資するものとして出版された。同年11月には『マネ、象徴革命』が、さらに名著『ディスタンクション』の30年後の検証をテーマとした『ディスタンクションの30年後』(2013年)が刊行されている。ブルデュー学派の研究の展開を見ると、この学派の雑誌ARSSにおいて「〔社会運動の〕活動家の資本」(2004年)、「19世紀から20世紀における医学の専門化」(2005年)、「ゲット-の様相」(2005年)、「映画と知識人」(2006年)、「健康と労働」(2006年)、「研究の経済学」(2006年)、「ヨーロッパの建設」(2007年)、「芸術的志向」(2007年)等が特集され、界(Champ)、研究領域の広がりを見せている。
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