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2011 年度 実績報告書

「家族」となることの実践:乳幼児の家族相互行為参加の組織

研究課題

研究課題/領域番号 22530511
研究機関筑波大学

研究代表者

高木 智世  筑波大学, 人文社会系, 准教授 (00361296)

研究分担者 井出 里咲子  筑波大学, 人文社会系, 准教授 (80344844)
キーワード家族相互行為 / 会話分析 / 乳幼児 / 相互行為参加 / 身体的資源 / マルチモダリティ
研究概要

本研究では、相互行為場面における多様な資源がどのように子どもの家族相互行為への参加を可能にしているのかを実証的にとらえるために、子どもと養育者の実際の相互行為場面を録音・録画によって記録し、音声・視覚情報を精密に転記したトランスクリプトを作成した上で、厳密な分析手法によって事例分析を積み重ねる。平成23年度(8月で中断)は、引き続きデータの収集と整理に重点をおきつつ、分析を進めた。とりわけ、相互行為場面における発話と身体・環境がどのように重層的に組織されているのか、という問題を焦点としたデータの分析およびトランスクリプトの表記方法の検討を重ねた。具体的な現象としては、昨年度の研究成果を踏まえて、養育者や年長の兄・姉による乳児の「代弁」と、幼児による第三位置の修復に焦点を当て、それぞれ、マルチモダリティ(相互行為における言語的・身体的・環境的資源の複合的利用)の視点から分析を深めた。前者については、ワークショップ(「話し言葉の言語学」第二回ワークショップ)で発表した。また、後者については、学術誌投稿論文としてまとめ、査読を経て、現在印刷中である。マルチモダリティの視点を導入し、特定の現象に焦点を定めて精密な分析を行うと、家族相互行為の参加の組織は、実に複雑ながら秩序立っていて、乳幼児は、言語的資源を駆使できるようになる前に、まずはそうした複雑な参加組織に取り込まれ、家族との相互行為を実践していることが見えてくる。このことは、相互行為の基盤が築かれた上で言語発達が可能となっていることを経験的に示唆しているものと思われる。今後は、この点をより説得的に示していくために、上述の現象に加えて、諸々の具体的現象を追究していきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

データの収集や整理等には膨大な時間がかかることは当初から予測されていたが、研究協力者や、平成23年9月以降は研究代表者自身が、育児休業等を取得するなどの理由から、積極的な活動の展開がやや困難な状況にある。研究代表者の復帰後、挽回を図りたい。

今後の研究の推進方策

11に述べた理由により、平成24年6月末まで、研究を一旦中断する。しかしながら、育児休業中に、復帰後すぐに研究活動を再開できるような環境を整えておく。具体的には、国内もしくは海外から関心を共有する研究者を招へいし、シンポジウムを開催するための準備を進めておきたい。また、研究成果を順次、順調に公表できるように、研究中断時までの成果のとりまとめを進めておきたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考]

    • URL

      http://sites.google.com/site/takagitomoyo/home/kodomo-no-sougo-koui-kenkyuu-kai-no-oshirase

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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