本研究は、言語発達過程にある子どもが、どのようにして、相互行為場面における多様な資源を利用しながら家族相互行為へ参加しているのかを実証的に明らかにすることを目的とした。特に、以下のことを焦点として、会話分析の手法を用いて子どもと養育者の実際の相互行為場面を分析した。1)まだ言葉を発しない乳児は、どのような仕方で他の家族のメンバーとの相互行為に「参加」しているのだろうか。2)言葉を用い始めた幼児は、養育者とのやり取りにおいてどのように相互理解を確立しているのだろうか。研究の成果として、それぞれの問に対して、参加者が用いる具体的なプラクティスのいくつかを明らかにした。
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