研究課題/領域番号 |
22530515
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
中河 伸俊 関西大学, 総合情報学部, 教授 (70164142)
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研究分担者 |
赤川 学 東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (10273062)
苫米地 伸 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (80466911)
山本 功 淑徳大学, 社会学部, 准教授 (10337694)
工藤 宏司 大阪府立大学, 人間社会学部, 講師 (20295736)
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キーワード | 構築主義 / 方法論 / 少子化 / 制度のエスノグラフィー / ひきこもり / 犯罪不安 / 喫煙 / 科学知識の社会学 |
研究概要 |
今年度は、標記研究課題についての全国レベルの研究会合を3回開催するとともに、論集『方法としての構築主義(仮題)』の構成と執筆者を確定して継続的に編集会合を持ち、さらには関西で数回の地域レベルの研究会合(12月の大阪・高槻市での「カテゴリー論の哲学的系譜」ほか)を開いた。全国レベルの研究会合のテーマは、(1)「概念の用法とその歴史」(於東京大学本郷キャンパス8月13日)、(2)「ドロシー・スミスの『制度のエスノグラフィー』の社会探究法としての射程」(於東京大学本郷キャンパス12月3日)、(3)「ジェンダーとセクシュアリティ」(於大阪府立大学2月9日、大阪府立大学女性学研究センターと共催)であり、計9報告、参加者の累計は106名。各分野の中堅・新進による構築主義的な経験的研究の成果の提示と、さらには突っ込んだ方法論上の討論が交わされた。論集については、出版社も内定し、2012年度もしくは13年度の早い時期の刊行を目標に、研究分担者・連携研究者および過去の研究会合での報告者、計12名の執筆予定者による本作りの作業が進展した。一方、個々の研究分担者についていえば、赤川、中河、山本が米国の学会での報告や論文・著書(共著)の執筆公刊を行ったほか(別項参照)、山本は国会議事録や各種データベース等に基づいて、約10年間の犯罪不安の推移の見取り図をつくった。工藤と苫米地はそれぞれ、昨年度に引き続き、ひきこもり・不登校問題および喫煙問題についてのフィールドワークと資料収集を進めた。また、中河は応用哲学会の大会のSSK(構築主義的な科学研究)をテーマにしたワークショップ(於京都大学9月24日)で、方法論をめぐるコメンタリーを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定した年3回の全国レベルの研究会合やその他の研究会合を実施し、水準の高い報告と意見交換を実現しただけでなく、構築主義の方法論についての論集(リーディングス)の執筆刊行のプランを具体化し、構成や分担執筆者、版元(勁草書房)などの詳細をほぼ確定することができた。
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今後の研究の推進方策 |
完成年度である24年度も、ほぼ当初の予定通り3回の全国レベルの研究会合、ローカルの研究会合、および論集の執筆刊行の作業を進める。論集の草稿の第一次締め切りは9月末であり、したがって順調に執筆が進めば年度内、遅れても来年度の遅くない時期に、この補助金によって実施することができた研究活動の集大成となる論集を、いわゆる成果報告に替える形で刊行できる見通しである。
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