ソローキンの文化社会学の成立過程を、出自であるコミ族の文化、ロシア革命、ハーヴァードにおけるパーソンズやマートンとの人間関係、アメリカ社会学界における位置などと関係させて知識社会学的に明らかにし、また、パーソンズおよびデュルケームの文化社会学的所説と比較しその理論的な意味合いを検討した。その結果、ソローキンは、社会や経済や政治からの「文化的な自律性」と外在的な環境に左右されない「文化の内在的な変動」を強調する「文化〔的〕社会学」を提示し、これに価値や規範に深くかかわる「預言(者)的社会学」の特徴を与えたことを指摘した。
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