本研究では、マルクス、ヴェーバー、ハルトマン、ポパー、バスカー(批判的実在論)の諸理論のなかに顕在・潜在する多元主義的存在論の構想を掘り起こし、それらを総合するなかで独自の批判的社会科学の開拓を目指している。本研究期間では、M.ヴェーバーの思想・理論に実在論的な多元主義的存在論の構想が存在することを明らかにする研究を進めた。その研究「M.ヴェーバーの科学論の構図と理念型論-多元主義的存在論の視点からの再解釈の試み-」はかなり大部となり、分割論文の連載形式で順次発表を継続してきた。その間、類似した構想をもつR.バスカーらの批判的実在論の研究にも継続して取り組んできた。
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