東北タイ調査についてはスリン地域総合大学特別教授のヴィラート氏がシンポジウムで来日したさい、北タイ調査についてはチェンマイ大学のナータヤ氏をお招きして、それぞれ調査対象地や進め方なとについて打ち合わせをした。そして調査に先立って、保健省が発した規則などについて資料収集をおこなった。近年、保健所や村落保健ボランティアの改革を相次いで実施しているため、その内容を具体的に知る必要があるからである。近年の変化としては、2010年から保健所でマッサージのサービスが始まったこと(1回50-100バーツをとるところが多い)、および医師や歯科医を1週間のうち最低1回巡回に派遣したり、テレビ電話で往診をおこなうことができるようにするため、保健所を区病院に格上げすること変えたことが挙げられる。 東北タイの農村と町では、村落構造と村落内組織、および村落保健ボランティアの活動について調査した。なかでも、村落保健ボランティア委員の属性や委員長の活動、表彰歴などを詳細に調べた。2009年から村落保健ボランティアが毎月報酬をもらうように変わり、併せて委員の仕事量が増えている。現在、区保健所から区病院という名称へと変更している最中であり、大幅な改革がすすめられている。 北タイのサンパトーン郡の農村で来年度調査できるように、対象地の選定と関係機関への挨拶回りをした。また併せて、調査予定地で簡単な聞き取り調査を実施した。北タイでは町と村の比較ではなく、まとまりのよい村とよくない村を比較することに計画を微修正しようと考えている。
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