研究課題/領域番号 |
22530536
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
高橋 涼子 金沢大学, 人間科学系, 教授 (80262541)
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研究分担者 |
田邊 浩 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (50293329)
奥田 睦子 金沢大学, 経済学経営学系, 准教授 (90320895)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | アドボカシー / 福祉 / NPO / 福祉国家 / 比較 / フィンランド / アメリカ |
研究概要 |
本年度はフィンランドを中心に障害者施策に関する資料調査および障害をもつ当事者のNPOや政策担当者へのインタビュー調査を続行しつつ、福祉NPOのアドボカシー機能の発展と政策の関連、アメリカ合衆国等における福祉NPOのアドボカシーとの比較、市民社会におけるNPOのアドボカシー活動の意義の検討を行った。 フィンランドの障害者施策と福祉NPOのアドボカシーについては、(1)1970年代に設立され自立生活運動を強力に進めたNPO「敷居の会」の活動と影響力、1980年代半ばに政府によって設立され障害当事者・家族と各中央官庁の代表者を半数ずつ含む「全国障害者協議会」を通しての政策参加、1990年代末に結成された障害種別を超えたNPOのネットワーク「障害者フォーラム」による障害者施策への働きかけの活発化、と年代毎のアドボカシー活動の特徴と障害者施策への参画があったこと、(2)その中で政策担当者の意識も変化しNPOと政府の協調的関係が成立したこと、(3)福祉領域のNPOの活動を支える法律に定められたスロットマシーン協会による資金配分は、アドボカシー活動にも支出を認めており、福祉NPOのアドボカシー活動の安定と自立性を支えていること、を明らかにした。 フィンランドにおける政府と福祉NPOの協調的関係は、公的セクターによる普遍的サービス提供への信頼や、NPOの組織化、福祉領域に限らず政策参加を支える法や制度といった対話のチャンネルの伝統など、社会民主主義型の北欧福祉国家としての共通点をもち、政府との対立的関係を背景とするアメリカ合衆国の福祉NPOのアドボカシー機能とは異なる特徴をもつことが明らかになった。一方、保守主義型のドイツや日本においても障害をもつ人々の社会参加に福祉NPOのアドボカシー機能は組み込まれつつあることが確認できた。 こうした知見を学会報告等で示しその意義を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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