1(1)対象地域の都市政策に関する資料の収集、(2)対象地域の都市政策の特徴の比較分析、(3)対象地域の都市政策が住民に対して与えると想定される影響の分析を実施した。 2 都市の社会構成を把握するために、(1)住民の社会構成(職業・家族・住宅状況等)に関する小地域統計データの収集、(2)GIS(地理情報システム)を用いて社会地図の作成、(3)都市セグリゲーション指標の分析を行った。(4)都市セグリゲーションの時系列変化と都市間比較に関してはさらにデータ収集が必要であるが、他地域のデータ入手が困難なため、大阪市の最新データの一部を入手した。 3 地区住民のライフヒストリーに関しては、平成22年度にえられた44名のライフヒストリーデータの音声データのトランスクリプションを行った。また平成23年度に行ったタイ・バンコクの調査でえられた約30名のインタビューデータの整理を行った。 4 地域住民組織の役割については、平成23年度にタイ・バンコクの地域住民組織を対象に実施した調査データの整理を行った。 5 これまでえられた調査データを詳細に分析するために、フランスの研究者との交流を深め、先端的なデータ解析の手法を習得した。すでに重要なデータがえられているため、複数の国で実施した調査のデータにもとづき、今後詳細な分析結果を報告することができる。 6 国際研究ネットワークの構築については、すでに研究が進んでいるフランスの研究者だけではなく、別資金でブラジル・サンパウロ市に渡航したさいに貧困地域の調査を実施し、サンパウロ大学および大都市研究センターの研究者との研究交流を行った。また本研究に関連するフランス語図書(セルジュ・ポーガム『貧困の基本形態』)の翻訳を完成させ、著者の研究グループを別資金で招聘、シンポジウムを開催した。そのさいこれまでの調査結果の比較検討と今後の研究計画について議論した。
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