研究課題/領域番号 |
22530550
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
秋葉 節夫 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (90192905)
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研究分担者 |
石阪 督規 三重大学, 人文学部, 准教授 (70324499)
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キーワード | 集落営農 / 法人化 / コスト・ダウン / 利用権設定 / 転作 |
研究概要 |
岡山県津山市および広島県東広島市を対象として、集落営農についての資料収集および聴き取り調査を実施した。津山市の農事組合法人「アグリ堀坂」では、集落の農地に占める法人の占有率は38パーセントで、堀坂地区全体を一つの農場と見なし、同法人が一括して作付け計画を立てている。平成19年から地区を3ブロックに分けてのブロック・ローテーションをはじめ、さらなる農作業の効率化を進めている。また、女性の労働を活かすために、女性によるブロッコリー栽培をおこなっている。 東広島市の農事組合法人「ファームおだ」では、全戸参加の法人を願って、「法人設立後は加入を認めない」方針で、その結果、128戸が参加し、法人経営面積は広島県内最大の82ヘクタールとなっている。作付け、団地化、省力化、およびコスト低減を図って、水稲、大豆、そばの安定生産と地場栽培作物の模索をおこないながら、農業生産について協業を図ることで、経営の安定を図っている。なお、水稲水張り面積68ヘクタール、水稲栽培47・6ヘクタール、大豆栽培16ヘクタール、そば栽培4・4ヘクタールとなっており、そのほか農作業受託をおこなっている。全体として、法人設立後、合理的な経営を実現してきており、法人を含む集落の存続にも一定の貢献をしていることが理解できる。まだ、集落の構造との関わりは明らかではなく、もう一段集落の中に内在して、どのような関係が働いているか、聴き取り調査を通じて把握することが望まれる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに、山形県庄内地方、岡山県津山市、広島県東広島市の農事組合法人を調査して、関係する資料を収集したほか、インテンシィブな聴き取り調査を実施し、それぞれの法人の設立経緯やその後の経営の努力、組織構造などについて、広く理解をすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
合後は、山形県を中心とする東日本の農事組合法人と岡山県、広島県を中心とする西日本の農事組合法人との共通性と相違点を明らかにし、類型化を試みる。また、とくに、集落の構造との関わりで、どのような工夫が見られるかを、インテンシィブな聴き取り調査を通じて明らかにする。そのためには、法人の代表だけではなく、利用権設定をしている一般農家をも対象にして聴き取り調査をおこなう必要がある。
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