過疎地域住民の自主的な活動について、愛媛県西予市明浜町狩江地区で調査した。 西予市では、住民による主体的な活動を促すため、自治会単位で住民への活動資金を出しており、参与観察とともに、アンケート調査を行った。明浜町では、他の地区と異なり、集会などの住民が集まる機会がほとんどないことがわかっていたので、住民に集会所に集まり、話しあってもらい、参与観察を行った。さまざまな年代や性別の集会が開催され、地域の問題が話し合われた。同時に行った15歳以上全住民に対するアンケート調査では、住民に地域再生への協力意欲が強いことも発見され、再生計画づくりにつなげられた。 一方、狩江地区にある有機農業集団「無茶々園」の元代表が、途上国を発展における環境汚染から解放し、有機農産物づくりを推進することで途上国の農業発展をもとめた活動をベトナムの現地で調査した。彼らは、ベトナム人の若者に現地で日本語を教え、日本の技術研修制度を利用して日本の農家に派遣し、帰国したものを現地農場で雇用するという一連のシステムをようやく完成させた。しかし、依然として問題は山積している。それは、彼我の社会システムの相違、文化・慣習の相違など、要因はいろいろである。また、経済格差・嫁不足と外国人花嫁問題のジェンダーも見えてきた。
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