研究課題/領域番号 |
22530556
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
稲葉 昭英 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (30213119)
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キーワード | ひとり親 / ライフコース / 貧困 / 学歴達成 / 再婚 / 低所得 / 親子関係 / 計量的研究 |
研究概要 |
昨年度に引き続き、既存研究のレビューを行いながら、第3回全国家族調査(NFRJO8)データを用いて、ひとり親・再婚家庭出身者の学歴達成について計量的な分析を実施した。その成果は論文として発表したが、主要な知見としてはひとり親のみならず、再婚家庭出身者も二人親家庭出身者に比較して学歴達成の格差が大きいこと、再婚家庭の場合、父母と子どもとの関係が成人期以降も悪く、そのことが発達過程で大きな影響を及ぼしているらしいこと、などがあげられる。また、学歴達成に見られる格差は時代的にほとんど縮小せずに維持されていることも明らかになった。今後、離婚や再婚はますます増加すると考えられるため、こうした学歴達成上の格差に対してどのような政策的な対応が可能か、詳細な検討が必要である。 本研究では研究協力者として大日義晴(首都大学東京大学院)、余田翔平(東北大学大学院)、三輪清子(首都大学東京大学院)の参加も得た。大日、余田は日本家族社会学会、三輪は日本社会福祉学会においてそれぞれ学会報告を行った。大日は配偶者からのサポートがサポート構造全体の文脈の中でどのように機能を変化させるか、余田は女性のM字型就労に関する批判的検討を行った。三輪はカナダ・バンクーバーで開かれた国際里親会議2011年度大会に出席し、諸外国の制度的な変化に関する情報を得たうえで、社会福祉学会では2000年以降の日本の里親委託をめぐる変化に関する計量的な研究を報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、毎年研究成果を学会誌に発表し、また学会報告などによって公表している。
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今後の研究の推進方策 |
今年も学会誌を中心に研究成果を報告していく。 本年度はまとめの年にあたるため、電子出版の形で報告書の作成も考えたい。
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