現在アメリカにおいて都市行政のパラダイム転換の核として着目されている、「準自治体」として認定した市民事業体に公共的開発事業の運営を任せるPDA(Public Development Authority)の手法と実際につき、平成22年度から24年度にわたる調査のうちの第一期分の調査をおこなった。 米国のPDAの展開についての全体像を把握するために、データベース化の作業と、現地における基礎的ヒアリング作業をおこなった。国内で「準自治体」化のイシューとの関わりで議会基本条例の取扱についてヒアリングをおこなうとともに、シアトル市コミュニティ振興部、ワシントン大学の助力を得て、81月の現地米国調査ではPacific Hospital PDA、Pike Place Market PDA等7団体について基礎的ヒアリングをおこない、引き続いての現地米国調査ではベンチマークとしてTacoma Housing Authority等についての調査をさらにおこなうことを通じて、PDAにおけるマネージャーのありよう、PDA特有の運営及び法務のありよう等を確認した。今年度の成果として、「市民事業体の準自治体化をめぐる基礎研究のための覚え書き-PPPとPDAのディメンション-」(八戸大学紀要、第41号)及び「準自治体Public Development Authority(PDA)の起源と法的ステイタス」(八戸大学紀要、第42号)を刊行した。 もって、平成23年度以降の統治構造、内部統制等に関わる実質的な研究にむけての土台として、本年度の研究を遂行した。
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