研究最終年度である平成24年度では、これまでに実施してきた職場での最新の管理についての研究・調査をさらに進めた。日本国内においては、地方のコールセンターにおける研究・調査を実施し、地域の事情や管理の実態について、また国外へのオフショア(offshore)といわれる、企業の特定業務の海外移転についての調査・研究を実施し、さらに企業のグローバル化にともなう、企業全体でのグローバルな管理の進捗についての分析を行っている。 コールセンター業務のみならず、企業の会計、総務等々に関する業務の一部を、海外での外部業者に委託するオフショアやグローバルBPO(Business Process Outsourcing)といわれる実態については、中国・大連において現地調査を実施することで、製造業における設計や受注業務等、これまで盛んに行われてきたと言われるものより多くの、また広範囲な業務、業種における工程等のプロセスが海外において請け負われてきていることが判明した。 企業のグローバル化にともなう管理の進展については、例えば人事について、多種多様な人材を管理、育成等する必要が生じており、グローバルなシステムや制度が求められていることを背景にして、一部の企業ではグローバルな人材に関するデータを、共通の管理プラットフォームに集約し、データベースとして、採用や昇進、評価等に活用していることについての実態についての分析を行った。 なお、グローバル企業における管理システム関する研究成果の一部として、所属大学での研究所紀要において報告を行っている。
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