研究課題/領域番号 |
22530568
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
嶋根 克己 専修大学, 人間科学部, 教授 (20235633)
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研究分担者 |
黒沢 眞理子 専修大学, 文学部, 教授 (40338588)
玉川 貴子 専修大学, 人間科学部, 兼任講師 (60424321)
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キーワード | 葬儀 / 葬祭業 / 社会関係資本 / アメリカ / ベトナム / 死の社会学 / 葬儀業界誌 / 葬儀文化 |
研究概要 |
本研究の目的は、葬儀は、故人や家族にとっての社会関係資本の現われであるという前提に立脚しながら、それぞれの地域や社会において多様性を比較社会学的な方法で明らかにしようとするものである。そのために研究代表者、研究協力者は分担しながら各国の葬儀の現状や変遷について調査研究を進行させてきた。 研究代表者である嶋根は、昨年度前半にベトナムに滞在し、主として急速な近代化の中で変動するベトナム都市部の葬儀についての研究を行った。具体的には都市部で行われたいくつかの葬儀に参加しながら、その実態について詳細な資料を収集するとともに、家族などの関係者に聞き取り調査をおこない、それらの資料をデータ化した。さらにドイツ中部都市における葬儀や埋葬が個人主義化しつつあることを、葬儀業者への聞き取り調査などから明らかにすることができた。 研究協力者の黒沢は1年間に亘る米国滞在で、アメリカの初期葬儀業界誌の研究で多くの成果を得ることができた。ニューヨーク公共図書館所蔵の葬儀業界誌『キャスケット』の創刊号(1876年)から1920年代頃まで50年間の資料を5ヶ月間に亘り調査し、写真撮影によるデジタル化を試みた。本資料は、アメリカの葬儀業界および葬儀のプロフェッショナル化の成立過程、組織化の過程などを理解する上できわめて重要な情報源となる。 同じく研究協力者の玉川は、静岡県の地方都市において葬儀業者が地域振興において果たす役割についての研究を継続して行った。 こうした研究成果はすみやかに学会誌、学内紀要、国際学会などで公表された。とくに国際学会では英語、フランス語などで報告され、海外の研究者から大きな反響を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
海外の葬儀についての研究は予想以上に進展しており、またこれまでの研究成果を国際学会において英語、フランス語で報告するとともに、速やかに学会誌などで論文を公表している。
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今後の研究の推進方策 |
研究成果のとりまとめ年度にあたり、今年度は補充的に国内外の実態調査を行うとともに、研究報告書の作成にとりかかる。また英文による出版物の刊行も予定されている。
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