研究概要 |
平成23年度の研究成果は,在宅介護支援センターの20ケース記録に絞って,後藤が作成した要約文とICFコードを対応させる,VBA,XAMP,MysQLを用いた,小規模のプログラムを業者への外注を含め試作したことである.これは,次の3課題解決のためであった.1.自然言語記述によるケース記録から内容を適切に反映したキーワードを取り出すか,同様の要約文を作成する必要がある 2.その対応の際,当然自然言語記述によるケース記録の方が,内容上冗長複雑であるので,必ずしもICFの中に対応コードがみつからない場合がある. 3.対人援助専門職のケース記録と一言で言っても,その中は細分化しており,分野ごとに独特の用語がある(例えば,児童分野では「よく遊べている」ことを「遊び込む」と表現したりする これら,1.~3.の課題を解決するために,在宅介護支援センターのケース記録20ケースに絞って,冒頭のような小規模プログラムを作成したところである. ただ,このプログラムは,現場での利用を考えVBAを用いたものの,Excelのバージョンによって,稼働しない場合のあることがわかった.そこで,研究最終年度においてはプラットフォームに依存しないJAVAへの移行をEclipseを用いて行う予定である.また,上記(3)の解決のため,データ許諾を頂けている,研究代表者所属大学附属施設の通所型児童擁護施設指導員による観察/指導記録データを分析対象とする準備を進めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1)対人援助専門職の自然言語によるケース記録とICFコードを対応させる辞書作成をかなりの数人手でやらなければならないこと,2)同対応プログラム(VBA,XAMR,MySQL)を試作したが,エクセルのバージョンによって動作に問題がでるので,プラットホームに依存しない形(例:Eclipse,JAVA)で再作成しなければならないこと,3)現存のICFコードでもって,ケース記録のすべての内容を表すのは難しく,subコード作成のような工夫が必要なこと
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今後の研究の推進方策 |
今年度は研究最終年度であるので,上記自己点検評価に記した課題を解決すべく,1)ケース記録の分かち書き処理+対人援助専門職分野(例:高齢者,子ども等)に絞ることで,辞書作成をある程度自動化すること,2)プラットホームに依存しない,対人援助専門職の自然言語によるケース記録とICFコードを対応させるプログラムの開発,3)わが国や諸外国で作成されWHOを通じて発表されているICFのsubコードの検討と利用を試みること,以上3点を解決し,少なくとも,特定分野に絞った対人援助専門職の自然言語によるケース記録とICFコード対応のプラットホームに依存しないプログラムを,そのアルゴリズムを他分野でも応用できるような形で,試作すること.
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