本研究研究最終年度では、5つの目標を追求した。①対人援助記録(具体的には、研究代表者所属機関附属の、学齢前発達障害等児童の通園施設における、児童指導員の児童観察、QOL改善、社会的ルール取得のための支援記録)について、同通園施設通園児童保護者から倫理上の研究協力を得、個別の対人援助記録を収集、テキスト化すること、②①でテキスト化した対人援助記録につき、同義語や表記の揺れの整理など事前処理を施したうえで、自然言語処理における形態素解析にかけ、なおかつ、主として対人援助記録の内容上中核となる形態素を絞り込んだこと(具体的には、例えば「夫&妻」という原文記載を「夫婦」になおしたり、助詞を分析対象から省くなど、したこと)、③②で絞り込んだ形態素について、ICF(国際障害機能分類)の第2レベル(中項目)のコードを、手付で付けていったこと。この際、手付作業は、3名のICFをよく知る院生等に依頼し、その結果を突き合わせ、妥当性を確認したこと、④③の手付作業の過程で、1)文脈をどこまで考慮すればよいか、2)ICFコード表の日本語訳が書籍であり頁を繰り関連コードを探していくことがむずかしい、等の意見がでたため、まず既存データベースソフト(アクセスやファイルメーカー等)の利用を考えた。しかし、それら既存データベースソフトは、バージョンにより互換性が途切れる、ライセンス上稼働台数分購入しなければならない等から、自作ソフトを、プラットフォームを問わないJAVAで外注作成することとした、⑤④の自作ソフトに、対人援助記録データを入れ、ICFコードとのソフト上での対応付けを、上記通園施設の指導員の方たちの前でご紹介し、今後指導員の方たち自ら、対人援助記録をICFコード化可能かどうか、ご意見を聴取し、一部関心をもたれた指導員の方たちに試用していただいている
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