研究課題/領域番号 |
22530578
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
石倉 義博 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (60334265)
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研究分担者 |
西野 淑美 東洋大学, 社会学部, 講師 (30386304)
西村 幸満 国立社会保障・人口問題研究所, その他部局等, 研究員 (80334267)
元森 絵里子 明治学院大学, 社会学部, 准教授 (60549137)
平井 太郎 弘前大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (70573559)
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キーワード | 地域移動 / ライフコース / キャリア形成 / 進路選択 / 地域アイデンティティ |
研究概要 |
2010年度に実施した福井県福井市内の県立普通高校2校(高志高校、足羽高校)の卒業生を対象とする地域移動調査のデータ入力及びクリーニング作業を、2011年5月から6月にかけて行なった。 2011年7月に福井市内で開催された「ふくいの希望を考えるフォーラム」に登壇し、暫定版のデータを元に、調査概要、地域移動パターン概略、地域移動の発生時期に関する中間報告を行なった。フォーラム終了後は、福井県庁・教育委員会担当者との意見交換を行なった。 上記フォーラムでの討論を分析に反映し、2012年2月に『「福井市内高校卒業後の地域移動調査」中間報告書』および、全質問項目についての単純集計、性別、世代別、家族構成別、職業別、現住地、地域移動歴別のクロス集計を収録した基礎集計表を作成、各高校および同窓会、福井県庁関係部署への報告と意見交換を行なった。 中間報告書は、「Uターンへの意識、福井への意識」(平井太郎)、「住まいと居住地移動」(西野淑美)、「高校卒業後の進路と将来イメージ」(元森絵里子)、「仕事と居住地選択」(西村幸満)、「希望の有無とその対象」(石倉義博)、「地域移動と家族構成」(石倉義博)の6部構成とである。 また、2010年度には実施できなかった普通高校1校(羽水高校)同窓会と再度交渉を行ない、調査実施の目算が立ったため、研究費の繰越を行ない、他校同窓会調査と同様の設計にて2013年1月から2月にかけて、調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では、2011年度の前半は、前年度に実施した調査で回収した調査票のデータチェック・エディティングを行い、データ入力を経て、データセットの作成を行なう予定であった。また、2011年度の後半は、作成したデータセットを用いて、分析を行い、報告書にまとめる前に、分析結果について、現地有識者や高校関係者と意見交換を行なう予定であった。 この作業工程については、おおむね予定どおり達成することができたが、2010年度の調査にあたっては、当初計画していた高校同窓会の協力が得られなかった高校が1校、また同窓会組織が休眠状態にあって交渉することができない高校が1校あり、データの代表性という点では問題なしとはいえなかった。 データセットの代表性を高めるため、2011年度は両校同窓会に対し再度交渉を行なった。そのうち、2010年度時には同窓会組織が休眠状態にあった羽水高校同窓会については、組織再編がなされたこともあり、標本抽出台帳となる同窓会名簿の利用に関して、同窓会から会員に対して個人情報提供の意思確認を行なう合意を得ることができた。 しかし、改訂された同窓会名簿の完成は2012年度10月であったため、調査は2012年度に実施することとし、その費用として、2011年度予算のうち197,000円を翌年度に繰り越すとととした。 なお、追加調査は2013年1月から2月にかけて問題なく実施することができたが、データセットの確定は当初よりも遅れることとなり、その間は2010年度に実施した調査データを用いた暫定的な分析を行なわざるを得なくなった。
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今後の研究の推進方策 |
2012年度は、2010年度(第1期調査)において実施できなかった福井市内公立普通高校1校(羽水高校)卒業生を対象とする第2期調査を実施する。2011年度予算のうち197,000を繰り越し、調査費用に充当する。 調査の実施にあたっては、名簿管理事業者である同窓会を経由して対象者への調査票の送付、回収を行なう。個人情報保護に留意し、具体的には、同窓会名簿を利用した標本抽出を同窓会側(実際の作業は名簿管理業者)に依頼、同窓会名での当事者の意思確認を往復はがきにて行ない、調査協力のみなし同意を得られた者のみに、調査票を送付する。また、回答済み調査票の回収については、同様に郵便で行なうが、返送窓口については、調査対象の不安を取り除き、協力を取りつけやすくするため、羽水高校事務室に委託できるよう交渉をすすめる。調査実施時期は、標本抽出台帳となる同窓会名簿の完成が2012年10月であるため、それ以降の実施を予定している。 調査実施後は、調整のうえ、第1期調査のデータとの合体をはかり、より代表性のあるデータセットで分析をすすめていく。本格的な分析は合体データの完成後となるが、それまでも第1期のデータセットで暫定的な分析をすすめる。 また、暫定的な分析結果を、福井県庁関係部署、各高校、および同窓会に回覧し、積極的な意見交換を行なうことを予定している。それ以外にも、一般向けの調査報告を行ない、フィードバックを得る機会を設け、調査対象のもつ地域移動に関する一次理論とも整合的で、かつ一次理論を説明するような理論構築に努力する。 調査結果の概要は、Webサイトで公表予定である。また、研究期間終了後、速やかに研究結果を出版することを目指している。
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