研究課題/領域番号 |
22530582
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
安藤 喜代美 名城大学, 人間学部, 准教授 (60367745)
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研究分担者 |
宮嶋 秀光 名城大学, 人間学部, 教授 (50200176)
伊藤 俊一 名城大学, 人間学部, 教授 (50247681)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 墓制 / 現代家族 / 継承 / 子ども / コミュニティ / 寺院 |
研究概要 |
本研究は、現代家族が直面しつつある墳墓の継承問題、およびかつてそうした継承を支えてきた寺院等を中心にしたコミュニティの変質に注目した視点で、質的調査と量的調査を実施し、それらのデータを分析することで現代家族における墓制の在り方を探求するものである。 質的調査として、2つのテーマでインタビューを実施した。一つは、名古屋市内の寺院の住職ないし寺院関係者を対象にしたもので、ロッカー式納骨施設の普及という昨今の現象を糸口にして、今日の家族における墳墓の継承問題やそれらに対する家族の具体的な対応策と、寺院側の観点から、それらをどのように捉えているのか、また、檀家との関係や寺院を取り巻くコミュニティである檀家組織の変質に関して、その実態を聴取した。結果、寺院との結びつきが家族から個人へと変化していることが推測されるが、これは「子どもたちに迷惑をかけたくない」という意識と共に、日本型近代家族そのものが変化しようとしている兆候と関係があるようだ。二つ目は、将来、墳墓の継承問題が懸念される子どものいない夫婦を対象に実施した。結果、自分たちが親たちの墓を守れなくなった時に、同族や親族が共通の墓として世話をしてくれるのではないか、という希望があり、それが絆によって結ばれた共同墓としての新しい墓制となるのかもしれない。 量的調査としては、名古屋市天白区の一部住民(2,100)を対象に、アンケート調査を実施した。質問項目は、お墓に関する全般的な考え方、世代間の流動性、墳墓の継承などで構成した。結果、「流動化」「少子化」「個人化」する現代家族は、「定住性」「伝統性」「継続性」を重んじてきた墓制と、折り合いをつけながらも、マスコミ等で紹介されるインターネットによるお墓参り、散骨・樹木葬などの形態が新しい墓制として認知されるまでにはメンタリティの変化が必要であり、それには、今しばらくの時間が必要であろう。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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