研究課題/領域番号 |
22530587
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研究機関 | 京都精華大学 |
研究代表者 |
中島 勝住 京都精華大学, 教授 (00172320)
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研究分担者 |
中西 宏次 京都精華大学, 教授 (50554333)
四方 利明 立命館大学, 准教授 (90340489)
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キーワード | 廃校舎 / 地域活性化 / 小規模校 / 少人数教育 / 休校 / 学校規模 |
研究概要 |
平成23年度は、南山城村高尾地区住民が旧高尾小学校校舎を利用しながら、高尾地区活性化をどのように実現していくのか、本研究会が校舎内に設けた「高尾図書室」運営を通じて継続観察を行った。時としては、住民の企画に参画しながら活性化の一翼を担うこともあった。その結果、高尾地区区長や村役場を巻き込みながら、写真展や映画上映会などを行った。また、「高尾図書室」の整備や校舎を利用したイベント等については、京都府への補助金申請を行い、それが認可される見通しも立つに至った。少しずつではあるが、「高尾図書室」がまいた種がより大きな果実を実らせようとしている。 前年度に引き続く調査としては、鹿児島県屋久島町における学校調査を行った。今年度は、屋久島に隣接する島である口永良部島の金岳小・中学校を訪れた。島に1校しかない小・中学校だが、いまだ、休校などになることもなく極小規模校ながら存続している。毎年、入学者確保に向けては、島を挙げての協力がある。地域と学校の関係を現す格好の例として貴重である。さらに、小規模であることを積極的に利用、活用した、異年齢の集団学習による特色ある教育活動が行われている。年齢を超えた子ども同士の関係が教育効果を向上させているようだ。今後の少人数教育や小規模校における教育のありようを考える上で大いに参考になると考えられる。 この他には、和歌山県で3校の学校調査を行った。都市部周辺で1学年2学級から3学級を想定して統合した学校と、子どものも減少が続いたため、2012年から休校になった山村部の学校である。これらの調査を通じ、一定の基準に学校規模を合わせることの困難さが推察され、より、地域の実情に合った学校運営が考えられる必要性を感じた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的であった、学校統廃合が実施されるプロセスについては、屋久島町の調査によりかなり詳細データが得られ、学校の統廃合後の旧校舎活用と地域活性化についても、10年を超える南山城村での定点観察により、一つの事例として経年的データの蓄積が実現した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度が最終年に当たるため、これまで蓄積してきたデータの整理と分析を行い、テーマである学校統廃合と地域社会の変容に合わせた体系化を試みる。その際、過ぎた一般化は論外だが、具体的な事例を示しながら、いくつかのパターンの提示を行いたい。
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