徐々に対象とする年代を現在へと近づけつつ、鋭意、資料収集・分析を続けている。アメリカ軍基地の存在が、戦後の日本文化に与えた影響に関する論考「基地という視座」を掲載する共著書(難波功士編『基地文化(仮)』新曜社、近刊予定)のための執筆・編集作業も継続した。また、2011年度内に刊行した単著書である『メディア論』(2011年8月、人文書院刊)・『人はなぜ<上京>するのか』(2012年1月、日本経済新聞出版刊)や、共著書である藤田真文編『メディアの卒論:テーマ・方法・実際』(2011年7月、ミネルヴァ書房刊、「メディア史:雑誌をめぐって」を分担執筆)・小谷敏ほか編『若者の現在2文化』(2012年3月、日本図書センター刊、「関西発文化について」を分担執筆)などにも、一部本研究の成果が反映されている。また、「遠藤知巳編『フラット・カルチャー』」(『社会学評論』62巻2号、2011年9月30日刊)といった書評、「文化の扉:はじめてのアロハ」(2011年7月25日付朝日新聞)といった取材対応、「『ヤンキー進化論』我々に見えていない生活者がいる。」(博報堂生活総合研究所主催「生活者発想祭」、2011年9月27日、於同研究所)といった講演活動なども、本研究の成果を一部踏まえたものである。今後は、2010~2011年度にかけての蓄積をもとに、最終年度にあたる2012年度は成果の集大成の年としていきたい。
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