研究課題/領域番号 |
22530598
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
北澤 一利 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (00204884)
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キーワード | ふまねっと運動 / 住民主体 / 認知機能改善 / 地域福祉人材養成 / NPO連携 |
研究概要 |
【平成23年度の研究概要】前年度に開発した運動プログラム「ふまねっと運動」の効果を測定するために、北海道池田町の70歳代の全住民を対象に健康状態と生活状況、ふまねっと運動の参加頻度を調査する横断的研究を行った。 【背景】北海道中川郡池田町人口7726人(平成23年1月31日現在)では、住民のボランティア活動によるふまねっと健康教室が全町的に広がっている。その実施頻度は、年間300回以上、延べ参加人数が2500人を越える。町内の11の自治町内会組織が中心となって公民館などで毎週実施される住民主体の健康活動である。 【方法】2011年2月1日、70歳~79歳までの全住民1202人を対象に郵送調査を実施し、2011年5月21日までに回答があった937人(77.8%)のうち、同意書のない8人、施設入所中の3人、代筆が疑われる3人を除き923人(76.9%)を解析対象とし、ふまねっと運動への参加頻度と日常生活行動に関する各質問項目間のクロス集計を行った。有意差を明らかにする統計解析にはカイニ乗検定を用いた。 【結果】「池田町ではふまねっとが盛んなことを知っていますか」に「はい」は724人(78.4%)、「家の近くでふまねっと運動に参加できますか」に「はい」は538人(58.2%)であった。この内、「ふまねっと運動に3回以上継続して参加した」に「はい」は141人(15.2%)であった。この中で、「歩行機能が改善した」に「はい」は93人(66.0%)、「記憶が改善した」に「はい」は77人(54.6%)であった。 【結論】池田町の70代の高齢者の8割近くの人がふまねっと運動を知っており、15.2%が継続的にふまねっと運動に参加していた。これらの人の半数以上が歩行や記憶が改善したと答えていることから、ふまねっと運動には歩行や記憶の改善効果がある可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
申請書に記載した研究計画では、新しい運動プログラムの開発と効果の実証ということであったが、本年度の研究では、横断的な分析により効果の実証ができたと考えている。また、次年度に向けたコホート研究のベースライン測定につながる基礎調査が行えた。これは、当初の研究計画には含まれていなかった。
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今後の研究の推進方策 |
北海道中川郡池田町の役場と連携した全住民対象に行うコホート研究を開始することができた。今後は、この研究を継続して、ふまねっと運動に参加している住民の認知機能の評価につなげたい。また、NPO法人地域健康づくり支援会ワンツースリーと連携して、住民が主体的に継続して健康維持に取り組むような活動支援につなげていきたい。
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