研究概要 |
【目的】北海道中川郡池田町では、高齢者の認知障害の予防を目的として、ふまねっと運動が普及してきている。本調査ではふまねっと運動への参加と、その後の入院・入所・死亡リスクの関連を検討した。【方法】2011年2月~4月に、池田町の70~79歳までの全住民1,202人を対象に、郵送法で自記式調査票による調査を実施し、929人(77.2%)から回答を得た。追跡開始前に入所していた者及び本人以外による回答であった者、1年後追跡調査時に情報提供に非同意の者を除外し、785名を解析対象とした。1年間で入院・入所・死亡のいずれかが起こった時点をもってエンドポイントとし追跡した。飲酒習慣、がん治療経験、15分間程度の歩行、公共交通機関や車等の利用による一人での外出、過去1年間のふまねっと運動への2回以上参加、ふまねっと運動の継続意欲等を共変量とし、Cox比例ハザードモデルにより単変量解析及び多変量解析を行った。【結果】1年間の観察期間中に7名の死亡、12名の入院・入所が認められた。単変量解析を行った結果、死亡・入院・入所のハザード比(95%信頼区間)は、飲酒習慣3.46(1.15-10.43)、がん治療経験4.56(1.85-11.21)、15分程度の歩行0.21(0.08-0.52)、公共交通機関や車等の利用による一人外出0.18(0.07-0.45)で有意であった。ふまねっと運動に関する項目では、過去1年間のふまねっと運動への2回以上参加0.16(0.02-1.17)、ふまねっと運動の継続意欲0.14(0.02-1.04)で、有意差はなかった。年齢、性別、飲酒習慣、がん治療経験、15分間程度の歩行、公共交通機関や車等の利用による一人での外出を調整し、多変量解析を行った結果、過去1年間のふまねっと運動への2回以上参加のハザード比は0.18(0.02-1.37)であった
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