研究課題/領域番号 |
22530600
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
江口 昌克 静岡大学, 人文社会科学研究科, 教授 (10337488)
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研究分担者 |
荻野 達史 静岡大学, 人文学部, 教授 (00313916)
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キーワード | 長期ひきこもり / 社会移行ニーズ / ソーシャルサポート / 家族相互支援活動 |
研究概要 |
平成23年度は以下の研究を行った。 1.ひきこもり体験者の社会移行支援に関するニーズ調査 ひきこもり体験者(当事者)が利用する居場所グループへの参与観察を継続的に実施した。また体験者へのインタビューにより社会移行ニーズに関する聞き取り調査を行った。その結果、特に若年者(20歳代)においては、医療・保健領域、教育領域にわたる種々の交絡要因による自己効力感の低下など、行動上の停滞が生じており、社会移行ニーズを持ちながらも援助要請行動につながらない状況が明らかとなった。社会資源を利用する前提として、自尊心・自己効力感の回復とアクセスの際の適度なソーシャルサポートの存在が重要であることが示唆された。 2.地域作りの前提となる家族相互支援活動への着手 社会参加機会を提供するファーストステップ・ジョブグループの前提となる家族相互支援ネットワークの強化に着手した。家族会と連携して、ソーシャルサポート源の構成およびソーシャルサポート,相談機関や地域への援助ニーズの内容などの明確化を進めている(現段階では分析中)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
地域作り活動の前提となる、家族相互支援活動を活発化が必要であるが、問題の長期化と地域での孤立化状況にある家族のエンパワワメントを組織的に進めるためには、当初の想定よりも時間とスタッフが必要であることが徐々に明らかになってきている。
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今後の研究の推進方策 |
目的達成のためには、家族相互支援ネットワークが安定維持されているコミュニティを限定的に選択し地域づくり活動の準備を行うなどの工夫が考えられる。
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