児童自立支援施設の入所児童は、劣悪な成育環境から非行や被虐待をはじめ、様々な問題を抱えている。学習以前の課題もあり、総じて一般学校の教育課程では授業についていけないことが多い。また、特別支援を要する子の増加を考えると、一般学校の教育課程を適用することが必ずしも教育保障にはつながらないことが教員へのアンケートから確認できた。 福祉と教育の両面が重なり合う施設の現場では「教育保障=学習指導要領の順守」というしばりに苦慮している。この現状に対応するためには、学校教育法施行規則において特別支援学校や研究指定校に認められている教育課程の弾力的運用を検討すべきである。
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