障害者相談支援事業所を利用している精神障害の親は、精神症状の悪化に伴う入院加療のため、長期にわたる子どもとの分離を経験していた。親の精神疾患の発症や慢性化には、配偶者とのストレスフルな関係、経済問題、低収入などが挙げられる。また、障害の親は退院後地域での生活を再開するにあたり、子どもとの関係の再構築に取り組んでいた。親子の関係の再構築にあたっては、病状悪化時の親の状態をどのように受け止め理解したらよいか、過度な負担とならない程度に相互にケアや配慮を提供しあうことが模索されていた。子どもは情緒的な支援やその他の支援を担い、家事や一般的ケアは関係機関のサポートを得て本人が管理していた。
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