本研究の目的は、児童養護施設入所等、社会的養護経験のある当事者を対象とする生活史インタビュー調査を通して、(1)当事者は、その生活の連続性においてどのような困難や課題をかかえ、どのような家族関係・社会関係に関する困難や葛藤を生じ、どのように対処してきたのか、(2)当事者の生活の連続性において、社会的養護を受けた経験はどのような意味をもつものであったのか、の検討をふまえ、支援課題を考察することにある。生きていく力を育む安心・安全な日々の生活と養育の営みが社会的養護の基盤として重要であり、社会的養護を離れた後の生活困難や家族関係・社会関係に関する困難を視野に入れた成人期にかけての支援が課題となる。
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