研究概要 |
【研究目的】養護課題(親が子どもを育てるのが困難になる状態)が世代間を連鎖していくプロセスを明示して社会福祉的支援の方向性を示すこと 【研究方法】全国の児童養護施設および乳児院に調査票を郵送し「現在入所している児童(第3世代)のなかで、その親(第2世代)も施設入所経験をもつケース」を1ケース選択してもらい(1)祖父母世代(第1世代)の生活状況と親への養育態度(2)親世代(第2世代)の生活状況と子どもへの養育態度(3)子ども(第3世代)の状況を量的に分析する。 【平成22年度の計画】調査票の質問項目を確定し、調査票の作成に向けた準備を終了させる 【平成22年度の研究実施内容】まず日本、米国での虐待、貧困の世代間連鎖に関する資料および調査方法の先行研究を収集し吟味した。次に研究協力者が所属する乳児院、児童養護施設に「養護課題が世代間連鎖しているケース」を8ケース選定してもらい、入所記録の詳細な分析と施設職員への聞き取り調査を実施してこうしたケースの特徴を理解するとともに調査票の設問とすべき項目を明確化した 【平成22年度の研究成果概要】調査した8ケース(第3世代)の入所理由はネグレクト3,借金や経済的困難2、身体的暴力2.入院1であった。その親(第2世代)の入所理由はネグレクト3,身体的虐待2,借金や経済的問題1,親の家出1,本人の問題行動1であった。ネグレクト→ネグレクト2、虐待→虐待1、借金→借金1と同じ課題が連鎖するケースとネグレクト→入院など異なるケースが半々であった。また第1世代にも経済的問題、病気、離婚などの課題が散見された。これらの知見をもとに調査票の設問を確定させている
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