研究課題/領域番号 |
22530663
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
加藤 博史 龍谷大学, 短期大学部, 教授 (50185865)
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研究分担者 |
小澤 亘 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (30268148)
小川 栄二 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (20340482)
マーサ メンセンディーク 同志社大学, 社会学部, 准教授 (00288599)
山田 裕子 同志社大学, 社会学部, 教授 (80278457)
石川 久仁子 大阪人間科学大学, 人間科学部, 准教授 (40411730)
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キーワード | 社会福祉関係 / 高齢者障害者 / 多文化共生 / 外国人生活支援 / QOL向上指標 |
研究概要 |
今年度は、中国残留孤児帰国者が集住する京都市伏見区小栗栖団地と、在日コリアンが戦前から集住する京都市南区東九条においてアクション・リサーチを行った。調査員には外国人福祉委員をはじめ、立命館大学、同志社大学、龍谷大学、大阪人間科学大学、大阪大学の学生らが59名参加した。参画型の調査過程重視の観点から、当初、調査の主旨、調査方法について自由討儀を行い、共通認識を形成した。その結果、地域の日本人高齢者も含めて調査する意義が確認された。調査票を検討し完成させた。自治会と何度も話し合い、協働調査を行った結果、強い信頼関係が形成された。これは、調査成果を今後の多文化共生の地域づくりに生かす上で高く評価できる。地域への説明と調査員へのオリエンテーションに時間をかけた。調査員が民生委員や老人福祉委員とともに戸別訪問をして、40-60分の聞き取りを行った。これは、生活の実態と思いを理解する上で大きな意義があった。 小栗栖団地では、市営住宅136人、うち残留孤児14人、日本語教室26人を調査対象とした。そのうち、面談できたものは、それぞれ96人、9人、10人であった。東九条は、山王学区では趣旨が十分伝わらず、調査主体を代え調査票を活かしつつ調査委託を行った。陶化学区には大きな協力を得た。300名の高齢者を無作為に抽出し、聞き取った者は175人、調査拒否53人、調査不能37人、長期不在35人であった。そのうち在日コリアン高齢者は、43人、帰化した者2人であった。民生委員を知らない人が多いこと、近所づきあいが希薄になっていること、在日コリアンを露骨に嫌う人、中国帰国者と仲良くなれないと訴える人、など具体的な課題を顕現化することができた。地域包括支援センターの協力を得たことや、支援NGOとの協働が進んだこともアクション・リサーチの成果と言える。今後、調査結果を分析するほか、同じ調査票を使って、民族団体会員向けの調査を行う。
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