研究課題/領域番号 |
22530666
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研究機関 | 筑紫女学園大学短期大学部 |
研究代表者 |
川島 典子 筑紫女学園大学短期大学部, 現代教養学科, 講師 (30455092)
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キーワード | 介護予防 / ソーシャル・キャピタル / ソーシャルワーク |
研究概要 |
2011年度は、昨年度、調査を断られた三重県伊賀市に引き続き調査の交渉に赴いた。と同時に、伊賀市の住民自治協議会(結束型ソーシャル・キャピタル)とNPO法人(橋渡し型ソーシャル・キャピタル)をソーシャルワーカーがつなぎながら介護予防を行っている事例の事例研究を行った。更に、ソーシャル・キャピタル(以下、SC)の下位概念(類型)である結束型SCと橋渡し型SCをソーシャルワーカーがつなぎながら介護予防を行っている京都府宇治市の事例研究も行った。更に、全国47都道府県社会福祉協議会を対象として郵送法によるアンケート調査を行い、結束型SCと橋渡し型SCをソーシャルワーカーがつなぎながら介護予防を行っている市町村の有無について調査し、大阪府寝屋川市の事例や福岡県の事例などについて事例研究を行った((1))。 また、厚生労働科研指定研究H22-長寿-指定-008「介護保険の総合的政策評価ベンチマークシステムの開発」(研究代表者・近藤克則)との連携により、全国31市町村の要介護状態にない高齢者を対象とした郵送法による自記式アンケート調査の内、27市町村より回収した約7万人のデータを相関分析によって分析し、SCの下位概念には地域差があり、地域特性(人口、人口密度、居住年数、等価所得、教育歴など)と関連があるという仮説を立証する研究を行った((2))。 尚、(1)については本年度の日本地域福祉学会で、(2)については本年度の日本社会福祉学会で、その成果を発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度の調査予定地として申請前より調査に御協力頂けることを御約束頂いていた三重県伊賀市に、厚生労働省の介護保険事業計画のニーズ調査と重なったことを理由に調査を断られた事で調査計画が頓挫した。今年度はニーズ調査の年度ではないため再度、調査の交渉中であり、縦断研究を果たすために一昨年度と今年度の基本チェックリスト25項目より情報を御提供頂けるよう交渉しているため、当初の予定よりも調査の進行が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、三重県伊賀市、福岡県筑紫野市、島根県松江市などを調査対象地候補として交渉し、一昨年度に実施された厚労省のニーズ調査基本チェックリスト25項目の内、主観的健康感、転倒歴、認知症の傾向などの項目に関する調査結果の御提供に関する交渉を行う。と同時に、本年度、新たに2市計5000人の要介護状態にない高齢者を対象とした郵送法による自記式アンケート調査を実施し、その結果を分析して比較検討する。アンケート調査の内容には、基本チェックリストに記載された設問の他に、SCに関する設問(結束型SC、橋渡し型SCなど)や、等価所得に関する設問、教育歴などを加える。三重県伊賀市は、ソーシャルワーカーが介護予防サービスに関わっており、尚かつ結束型SCと橋渡し型SCをつなぎながら介護予防を行っている。また、福岡県筑紫野市、島根県松江市は、結束型SCと橋渡し型SCをつなぎながら介護予防ないしはまちづくりを行っているものの、その活動にソーシャルワーカーは関わっていないため、ソーシャルワーカーが介入している伊賀市との比較対象地として選定したい。
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