研究概要 |
本研究の目的は、教員資質向上策のひとつとして,教員志望者の心理教育的リーダーシップを伸ばすためのトレーニング・プログラムを開発し,その効果と妥当性を確認することにある。本年度は以下を目標に研究を実施した。 1.心理教育的リーダーシップ訓練プログラムの試行:先行研究を踏まえ、心理教育的リーダーに求められる資質として,a)自己理解と他者理解、b)3種のコミュニケーションスキル(伝達・主張・傾聴スキル)、c)3種の集団活動スキル(課題共有・課題解決・合意形成スキル)に焦点を絞り,試作された訓練プログラムに基づく授業を実践した。プログラムは各テーマについて1~2時間をかけて実施するエクササイズから構成され,参加者は立正大学で開講した「社会心理学研究」と,群馬大学で開講した「心理教育的指導論」の受講生である。リフレクションの内容分析から、標的としたスキルについての自覚が深まり、一定の改善があったとする自己評価がなされていたことが確かめられた。 2.プログラムの有効性評価方法の検討:効果測定のためのチェックリストを作成し、上記のプログラムと組み合わせて実施した。昨年度開発したアサーティブネスチェックリスト、集団活動評価票に改善を加えて実施した他,リフレクションペーパーへの記述のテキスト分析による効果評定の方法を検討した。 3.専門的プログラム開発のための資料収集:専門的プログラム開発のため、現職教員を対象に教員志望学生による模擬授業の評価方法について資料を収集した。
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今後の研究の推進方策 |
開発した訓練プログラムの効果評定方法について,新しい資料を加えて分析し,数値化・プロフィール化できるよう工夫する。あわせて,テキスト分析によりリフレクションペーパーの評価方法について検討を進める。その上で,最終的に訓練プログラムと評価法をセットにした実施マニュアルの作成を目指す。
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