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2011 年度 実績報告書

児童・生徒の仲間集団の排他性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22530673
研究機関鹿児島大学

研究代表者

有倉 巳幸  鹿児島大学, 教育学部, 教授 (90281550)

キーワード排他性欲求 / 排他性規範 / 中学生の仲間集団 / 関係接近動機 / 関係回避動機 / メンバーの類似度
研究概要

本研究では,中学生・高校生の仲間集団に見られる排他性が及ぼす影響について検討を行うために,尺度の見直しを図った。これまでの研究で,排他性は,排他性欲求と排他性規範からとらえることができ,前者は,仲間集団やそのメンバーとの親密さを確認するために,第三者を排除して仲間集団内だけの活動および,特定のメンバーと一緒にいることを求める傾向,後者は,自分が所属している仲間集団のメンバーがとるべき同一行動についての暗黙の規範のことと定義した。本年度は,中学生のみの分析であるが,排他性欲求,排他性規範と,メンバーの類似性,友人との同一行動,社会的動機づけとの関連を見ることで,尺度の妥当性を検討した。その結果,排他性欲求と排他性規範との間には中程度の相関が見られたが,一方の尺度得点を統制して,メンバーの類似度との偏相関を求めたところ,排他性欲求との間には正の偏相関が,排他性規範との間には負の偏相関がそれぞれ見られ,概念的に独立していることを示唆する結果となった。併せて,社会的動機づけを説明変数,排他性欲求または排他性規範を目的変数とし,性ごとに重回帰分析を行って検討したところ,排他性欲求は,男女とも関係接近動機によって説明できたが,排他性規範は女子のみ関係回避動機よって説明された。以上のことから,女子の仲間集団の排他性規範が,関係回避動機に基づくものであり,排他性規範が高い集団に所属する生徒ほど,対立や葛藤を避けようとする傾向を持ち合わせていると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画では,もっと広範囲に,調査を行う予定であったが,諸事情により,充分なデータ収集ができていないため。

今後の研究の推進方策

最終年度(平成24年度)は,これまでに実施した研究成果をまとめる。また,本年度中に実施する予定であった排他性欲求および排他性規範と学習態度や学習に対する自己評価との関係性を検討する。なお,質問紙については,本年度完成しており,5月以降,調査依頼をして実施していく。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 中学生の仲間集団の排他性に関する研究2012

    • 著者名/発表者名
      有倉巳幸
    • 雑誌名

      鹿児島大学教育学部研究紀要(教育科学編)

      巻: 63 ページ: 29-41

  • [雑誌論文] 生徒の仲間集団の排他性に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      有倉巳幸
    • 雑誌名

      鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要

      巻: 21 ページ: 161-172

  • [学会発表] 仲間集団の排他性尺度作成の試み2011

    • 著者名/発表者名
      有倉巳幸
    • 学会等名
      九州心理学会第72回大会
    • 発表場所
      熊本大学教育学部
    • 年月日
      2011-11-20
  • [学会発表] 中学生の仲間集団の排他性に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      有倉巳幸
    • 学会等名
      日本教育心理学会第53回総会
    • 発表場所
      北海道立道民活動センターかでる2・7
    • 年月日
      2011-07-24

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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