• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

潜在的自己観測度による対人コミュニケーションにおける日本文化的相互賞賛機能の探究

研究課題

研究課題/領域番号 22530674
研究機関フェリス女学院大学

研究代表者

潮村 公弘  フェリス女学院大学, 文学部, 教授 (20250649)

キーワード文化的自己観 / 自己概念 / 相互賞賛 / 日本文化 / 比較文化研究 / 対人コミュニケーション
研究概要

近年、日本文化的な対人コミュニケーションの特質について再考が求められている。本年度の研究目的は、文化的慣習に対する文化的自己ならびに自己関連概念の規定因について、日本、アメリカ、中国で収集されたデータをもとにして、文化的自己観と自己概念の特性について比較文化的に検討することであった。そのさい内集団成員への謙遜という代表的な文化的課題(cultural task)を具体的に取り上げることで、伝統的な文化的自己観の枠組みについて検証した。その結果、内集団成員への自己謙遜表出に対する規定関係は、国ごとにそれぞれに異なる規定関係を示した。相互独立的自己観が内集団謙遜を有意に規定していたのは、アメリカのみであった。その一方で、相互協調的自己観については、三ヵ国いずれにおいても、内集団謙遜を有意に規定していた。この結果は、内集団謙遜と相互協調的自己観との関わりが通文化的なものである可能性を示している一方で、内集団謙遜と相互独立的自己観の関わりがアメリカのみにおいて認められ、アメリカ文化での相互独立的自己観の重要性をあらわしていると考えられる。また集団主義については、日本においてのみ、集団主義の高さが内集団成員に対する謙遜が多いことと結びついていた。その一方で、アメリカにおいても、また同じ「東アジア文化圏」に属すると位置づけられている中国においても、集団主義と内集団謙遜の関連が見られなかったことは対照的で興味深い。これらの知見より、内集団成員への謙遜の表出という文化的課題に対する規定因について実証的に検討した場合には、伝統的な文化的自己観(伝統的な文化的自己観概念)の立場に依拠する主張が支持されると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Cross-Cultural Investigations for the Self-Effacement Toward In-Group Members, as Cultural Practices2011

    • 著者名/発表者名
      Shiomura, K., Funakoshi, R., Wan, W.
    • 学会等名
      The 23rd Annual Convention of Association for Psychological Science
    • 発表場所
      Washington D.C., USA(繰越申請して執行)
    • 年月日
      2011-05-27

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi